□はじめに展示会は、多くの来場者に直接自社の製品・サービスをアピールできる貴重な機会です。そのため、多くの企業が展示会への出展を検討しています。また、展示会は見込み顧客を獲得し、それらを育成して最終的な顧客に変える絶好の場でもあります。特にB to B企業にとっては、大チャンスと言えるでしょう。展示会では、製品やサービスの認知度向上、ブランディング、来場者との直接対話によるニーズの把握など、さまざまな効果を期待できます。しかし、一方で多額のコストがかかることや、出展しても来場者に見向きもされないといったリスクもあります。さらに、せっかく出展しても期待した効果を得られない可能性もあるため、慎重な計画と準備が求められます。そこで、この記事では展示会で効果的にリードを生成し、その後のナーチャリングを通じて成果を上げるためのポイントについて解説したいと思います。ぜひご一読ください。1. リードジェネレーションの基本戦略リードジェネレーション(Lead Generation)とは、リードを獲得するためのマーケティング活動を指します。そもそも、リードとは自社の製品やサービスに興味を持った「見込み顧客」を意味し、将来的に顧客になる可能性がある人物や企業を指します。リードを獲得する手法は大きく分けてオンラインとオフラインがあります。オンラインの手法には、自社サイト、Web広告、SNSなどがあります。これらのチャネルを通じてユーザーの情報を取得するためには、ユーザーが登録したいと感じるような有益なブログ、ホワイトペーパー、ウェビナー、ランディングページなどを準備しておく必要があります。このようにして潜在顧客の興味を引きつけ、見込み顧客としてコミュニケーションを取れる状態にすることがリードジェネレーションです。一方、オフラインでのリードジェネレーションの代表例が「展示会」です。東京国際展示場や幕張メッセなどで開催されている展示会は、馴染みがない人であっても存在を知っているのではないでしょうか。オンラインのリード獲得は基本的にユーザーが自発的に個人情報を登録してくれるのを待つしかありませんが、展示会であれば、来場者に対してこちらからアプローチすることが可能になります。来場者も営業を受けることを承知しているため、声のかけ方次第では大量のリードを獲得できます。ただし、実際に導入を検討してくれる可能性があるのは5~10%とされており、多数の名刺を獲得したからといっても、全てが自社の製品やサービスを購入してくれるわけではありませんので注意が必要です。オンライン施策をどれだけ頑張っても、オンラインで接点を持てるのは積極的にオンラインで情報収集をしたいと考えている限られた層のみです。しかし、情報収集を始めていない層の中には決裁権を持っている人物も多く、オンラインだけでは接点を持てません。展示会では、こういった潜在顧客とも接点を持つことができ、オンラインとは別のチャネルとして有効です。展示会には多岐にわたるテーマがあり、多くの業界で効果的なリードジェネレーションの手法であると認知されています。いずれの手法であっても、自社の製品・サービスに興味を持ってもらうが大切です。では、リードジェネレーションのポイントは何でしょうか。コロナ禍によって対面でのコミュニケーションが一時期難しくなったことで、B to Bの世界でも変化が生じました。現在ではオンラインとオフラインの統合であるOMO(Online Merges with Offline)の考え方が一般化しています。その結果、展示会の目的も「どれだけ名刺を集めたか」という単なる数の指標から大きく変わりました。『アフターデジタル』シリーズの著者である株式会社ビービットの藤井保文氏は、「この新しい世界観の中でリアルが重要でなくなるというわけではありません。デジタルとリアルの役割は異なっており、デジタルは効率性や広範囲へのリーチが得意な一方、リアルは顧客との信頼を築いたり、感動体験を提供したり、細やかな顧客ニーズに対応することが得意です。アフターデジタルの世界では、むしろリアルの重要度は高まります。」と述べています。ですから、展示会というリアルの場では、特に体験や「おお!」と驚かせる要素を提供することが大切です。パンフレットを紙で配るのではなく、スマホを活用してデジタルデータを配布し、実際の体験を通じて自社の製品やサービスを知ってもらうことに注力しましょう。体験を通じてアプローチし、来場者自身がニーズを認識できるようにすることが成功のポイントです。このポイントを忘れずに、リアルでの展示会で顧客との深い関係構築を目指しましょう。2. リードナーチャリングのプロセス展示会には多数の企業が出展していて似たような製品・サービスが並んでいることから、名刺交換をしていたとしても、あまり印象に残っていない可能性があります。また、展示会参加者の7割以上は「市場調査や定期的な情報収集」を目的としているとの調査結果もあります。そのため、まずは自社の製品・サービスの活用メリットを理解してもらうことが大切です。展示会で獲得したリードは、必ずナーチャリングを行いましょう。放置していても契約に結びつくことはありません。リードナーチャリング(Lead Nurturing)とは、見込み客(リード)の購買意欲を高め、商談・契約へと繋げるマーケティング活動です。製品・サービスの検討度合いに応じたアプローチを行って最終的に契約に繋げることを目指します。リードナーチャリングの手順を見ていきたいと思います。まず、リードの仕分けです。展示会の来場者の多くは市場調査や定期的な情報収集が目的ですが、商談目的の方もいます。展示会後は、リードの関心度を見極めて仕分けをしてください。製品・サービスにほとんど関心がないリード、製品・サービスに関心はあるが見込みが低いリード、他社とも比較していて高い関心を持っているリード、商談を希望しているリードなどのセグメントに分けるのです。次に、それぞれのセグメントに応じたナーチャリングを行います。適切なフォローを行わないと、リードナーチャリングがうまくいかずリードが離れてしまう可能性があります。成約の見込みが少ないリードには、製品・サービスの資料などをメールで送信します。見込みが低かったとしても、展示会から数日以内にメールを送れるようにしておきましょう。製品やサービスに関心はあるものの、見込みがそれほど高くないリードには、フォローセミナーの案内や、ホワイトペーパーなどの資料を、展示会での会話内容とあわせてメールで送信し、その後1週間以内にインサイドセールスを行い、改めてヒアリングを行います。製品やサービスに高い関心を持つリードや商談を希望するリードには、翌日にメールで具体的な商談の日程を知らせます。メール後は電話で連絡し、商談の日程を確定させましょう。ナーチャリングにおいては、顧客とのタッチポイントの設定とKPI設計が重要です。タッチポイントとは、顧客と接触する点を指します。これを適切に設定することで、顧客との関係を築くことができます。リードナーチャリングに限った話ではありませんが、成果を上げるためには、何を目的とし、どの指標を達成すれば成果といえるのかを明確にすることが大切です。そのため、KGIの設定はもちろん、KPIを設定することが大切です。例えば、メルマガ配信のKPIであれば、メールの開封率や開封数、リンクのクリック数、コンバージョン数となるでしょう。開封率や開封数は、リードがメールをどの程度開封したかを示します。これをKPIに設定する場合、件名、メールの冒頭文を調整して開封率の変化を確認します。リンクのクリック数は、メール内の自社製品・サービスの紹介サイトのURLをクリックした数を示します。クリック増には、CTAボタンを目立つ位置に置くことが有効です。コンバージョン数は、リードが取ったアクションの数を示し、最終的な効果を評価する指標です。例えば、お問合せの件数などです。コンバージョン数を元に、メール内容が適切だったかの判断を行います。以上のポイントを押さえ、適切なナーチャリングを継続することで、展示会で得たリードを有効に活用し、契約に繋げましょう。その他の「展示会で成功するためのノウハウ」についての詳細は、下記の関連記事をご覧ください。関連記事:心を掴む!展示会ではどんなプロモーショングッズを配れば良い? 必見!展示会でのブランディング~3つの注目ポイントとは?□さいごに展示会でのリードジェネレーションとリードナーチャリングは、アプローチ次第で大きな成果を生むことができます。展示会での初期接触からフォローアップ、ナーチャリングまでの一連のプロセスを実施することで、リードを顧客化し、ビジネスの成長を実現します。この記事を参考に、次回の展示会で成功を収めてください。株式会社ピーク・ワンは、マーケティングを次のステップへ進化させたい企業様に豊富な実績を基にしたサポートを提供しております。また、イベント受付管理システム「レジスタ」や事務局支援クラウド「セクレタ」といったシステムも提供しております。当社が提供するイベントDXサービス「FrontDeskシリーズ」では、イベント受付からリード獲得までをサポートするさまざまなソリューションを展開しています。特に、「レジスタ」は展示会での来場者情報取得を支援する受付管理ソリューションであり、オプション機能の「Quick Lead」「Quick Flyer」「Quick Check-in」を活用することで、最新の展示会マーケティングをタイムラグなく実現します。さらに、株式会社ピーク・ワンには数多くの企業イベントの受付を構築してきたプロが在籍し、展示会イベント受付オンサイトサポートサービス「受付の達人」も提供しております。当社は30年以上の経験とノウハウを活かし、貴社のイベントを成功へと導きます。トラブルの未然防止、スムーズな受付運営、そして参加者一人一人に最良の体験を提供することで、イベント成功の第一歩を確実にサポートいたします。また、多言語に対応したイベントプロデューサーもおりますので、グローバルなイベントにも柔軟に対応(⽇英を含む世界5ヵ国の⾔語にネイティブ対応)可能です。「海外のエグゼクティブやVIPを招いてイベントを⾏いたい」「各国の⽂化や商習慣に合わせてのプランニングが必要」「事務局業務から旅行⼿配までトータルで対応して欲しい」などのご要望があれば、ぜひご検討ください(Global Team 特設サイトはコチラ)。※無料相談はGlobal Team 特設サイトでお申込みいただけます。株式会社ピーク・ワンのサービスの詳細を記載した資料はすぐにダウンロードいただけます。お問い合わせは弊社までお気軽にご連絡くださいませ。