□ はじめに 皆さん、こんにちは。千葉県の美浜区(千葉市)に広がる計画都市、幕張新都心は、千葉港に面した魅力的なエリアです。この地域には、国家戦略特区、グローバルMICE都市、都市再生特別地区に指定された千葉市の中でも特に重要な施設である幕張メッセがあります。幕張メッセは1989年10月の開業以来、日本国内で東京ビッグサイトに次ぐ規模を誇る展示場およびコンベンションセンターであり、年間約400万人の来場者を迎えています。※千葉県の美浜区(千葉市)に広がる計画都市「幕張新都心」~千葉港に面した魅力的なエリア「幕張メッセ」という名称は、地元の「幕張」とドイツ語で「見本市」を意味する「メッセ(messe)」を組み合わせたものです。その名の通り、多くの展示会やイベントの拠点となっています。2023年度の幕張メッセの決算によると、売上高は44億3800万円、経常利益は3億9500万円でした。東京ゲームショウをはじめとする多彩なイベントが開催され、年間の催事件数は757件、来場者数は414万2000人に達しました。これは新型コロナウイルス感染症流行前に比べれば及ばないものの、順調に回復しています。幕張メッセが位置する幕張エリアは、東京湾に面しており、JR京葉線が通っているため東京都心からのアクセスが非常に良好です。このエリアは都市機能を備えつつ、海を身近に感じられる場所であり、大規模な複合開発が進んでいます。幕張新都心の開発は1980年代のバブル景気を背景に計画され、現在も成長を続けています。※日本最大級の展示面積を誇る「幕張メッセ」(千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目1)夜景さらに、幕張エリアには多数のホテルがあり、ホテルの上層階から見る夜景は絶景として評判です。都心からのアクセスも便利なので、訪問する価値があります。また、幕張エリアには他にも注目スポットが豊富にあります。プロ野球チーム「千葉ロッテマリーンズ」の本拠地であるZOZOマリンスタジアムでは、野球の試合だけでなく、音楽フェスティバルなど多様なイベントが開催されています。さらに、三井アウトレットパーク幕張には約130店舗以上のブランドアウトレットが集まり、週末には約15,000人の来館者で賑わっています。この記事では、日本最大規模の展示会場である「幕張メッセ」を取り上げてご紹介したいと思います。皆さんのビジネスを広げるための展示会場選びの参考になれば幸いです。ぜひご一読ください。1. 「幕張メッセ」の魅力と利便性幕張メッセは、日本を代表する国際展示場として1989年の開業以来、多くのイベントの聖地として知られています。その運営は株式会社幕張メッセが担当し、主要株主には千葉県、日本政策投資銀行、千葉市が名を連ねています。サマーソニックやニコニコ超会議など、多様なイベントが開催され、年間を通じて多くの来場者を集めています。また、多数の建築賞を受賞し、その評価も高いです。幕張メッセは、国際展示場、国際会議場、幕張イベントホールの3つの施設から構成され、敷地面積は約21万㎡、総展示面積は約7万5千㎡です。国際展示場1から8ホール(最大5万4千㎡)は可動間仕切りによってフレキシブルに展示スペースを構成できます。外観は千葉県房総半島の山並みをイメージし、中央プラザの赤い屋根が一際目を引きます。※「幕張メッセ」国際展示場1-8ホール(中央エントランス)展示ホール9~11は重量物の展示に適した設計で、波をイメージした弓なりの屋根が特徴です。中規模な展示スペースとして活用されています。※「幕張メッセ」国際展示場9-11ホール 波をイメージした弓なりの屋根が特徴国際会議場は、国際会議から企業研修、レセプションパーティーまで幅広く利用できます。中小合わせて22の会議室があり、展示会に合わせたセミナーや講演会の同時開催も行われています。※「幕張メッセ」国際会議場(側面)幕張イベントホールは最大9,000名を収容でき、コンサート、式典、スポーツイベント、展示会、講演会など多目的な利用が可能です。音響・照明設備も充実しており、さまざまな演出内容に対応できます。※「幕張メッセ」幕張イベントホール(全景)館内にはコインロッカー、売店、レストランなど充実した設備が整っています。ベビーシート付きのトイレや搾乳室、バリアフリー対応のトイレなど、子供連れや障害を抱える方々にも配慮されています。周辺には多くの宿泊施設があり、ホテルによっては幕張メッセまでの直通バスも運行されています。交通の便も非常に良く、JR京葉線の海浜幕張駅から徒歩10分の位置にあります。東京駅から約40分、成田空港(成田国際空港 Narita International Airport)や羽田空港(東京国際空港 Tokyo International Airport)からも直行バスが運行されており、国内外からのアクセスが非常に便利です。意外なことに、東京駅から東京ビッグサイトへの移動時間も約40分でほぼ同じなため、実はそんなに遠くないのです。幕張メッセは、国内外の多くの来場者にとって訪れやすい環境を提供し、多様なイベントを通じてエンターテインメントからビジネスコンベンション、国際会議まで幅広く楽しませています。 2. 「幕張メッセ」の挑戦と成功の物語とは 1980年代前半、千葉県は幕張新都心開発の一環として、大規模イベント施設の計画を進め、1989年10月9日に幕張メッセが完成しました。現代的な設計と広大な規模で注目された幕張メッセは、老朽化した東京国際見本市会場の代替として機能し、大規模イベントの新たな受け皿となりました。バブル景気の恩恵を受け、開業からわずか1年2か月で来場者数1000万人を突破するという驚異的な成功を収めました。しかし、バブル崩壊後の経済低迷と東京ビッグサイトの開業により競争が激化し、幕張メッセの稼働率は次第に低下しました。特にリーマンショック後の2010年には稼働率が30%台前半にまで落ち込みました。開業から約20年間で総額348億円の負担金を千葉県と千葉市が補填する事態となり、非常に厳しい経営環境に直面しました。それにもかかわらず、幕張メッセは逆境をはねのけ、イベント利用を増加させました。「Summer Sonic」などの大規模イベントがその象徴です。2016年には年間で2100件のホール利用を記録し、復活の兆しを見せました。2000年代以降の年間来場者数も500万人から600万人で推移しています。幕張メッセを設計したのは、「建築界のノーベル賞」と称されるプリツカー賞を受賞した槇文彦氏です。槇氏は、現代日本建築の父と称される丹下健三氏や、異端の建築家として名高い安藤忠雄氏と共に、日本を代表する建築家の一人です。3人ともプリツカー賞および「文化・芸術のノーベル賞」とされる高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。槇文彦氏の功績として、ワールドトレードセンター跡地「グラウンド・ゼロ」に建設された超高層ビル「4 ワールドトレードセンター(4 WTC)」の設計も挙げられます。このプロジェクトは、アメリカ同時多発テロ事件後に世界が注目する再開発事業であり、槇氏の国際的な評価が高いことを示しています。幕張メッセはその歴史と共に成長し、日本の大規模展示施設としての地位を確立しました。槇文彦氏の卓越したデザインと、利用者の多様なニーズに適応する努力がその成功を支えています。 3. 「幕張メッセ」で開催される主要見本市とイベントの概要 幕張メッセでは、多種多様な見本市やイベントが開催されています。以下はいくつかの主要な見本市とその来場者数です。なお、来場者数は変動していることがあるため、正しいデータは公式サイトや運営者に確認することをお勧めします。(Ⅰ)東京ゲームショウ(Tokyo Game Show)東京ゲームショウ(Tokyo Game Show、TGS)は、毎年日本で開催されるビデオゲームの見本市です。このイベントは、国内外のゲームメーカーが最新のゲームや関連技術を展示する場として知られており、業界関係者および一般のゲームファンにとって大きな注目を集めています。東京ゲームショウは1996年に初めて開催され、それ以来、年に一度開催される恒例のイベントとして定着しています。このイベントは、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)と日経BP社が共同で主催しており、年々進化を遂げてきました。その結果、アメリカのE3やドイツのGamescomなどと並ぶ、重要なゲームイベントとして位置づけられています。通常、開催の最初の二日間(木曜日と金曜日)は「ビジネスデイ」として設定されており、ゲーム業界関係者、報道関係者、流通関係者に限定されています。残りの二日間(土曜日と日曜日)は一般公開日として行われます。1996年の初開催から2020年まで、一度も中止されることなく開催されていましたが、2020年は新型コロナウイルスの影響により、会場での開催が見送られ、オンラインのみの開催となりました。東京ゲームショウでは、来場者のコスプレが認められている点も特徴的です。この展示会は単なる展示会を超えて、ゲーム業界のトレンドや新技術の発信基地としての役割も果たしています。また、日本国内だけでなく、海外のゲーム開発者にとっても重要なマーケットプレイスとして認識されています。第33回東京ゲームショウ2023のキャッチフレーズは「ゲームが動く、世界が変わる。」で、2023年9月21日に開催されました。出展数は787社、来場者数は243,238人に及びました。(Ⅱ)CEATEC(Combined Exhibition of Advanced Technologies)CEATEC(シーテック、Combined Exhibition of Advanced Technologies)は、毎年10月に幕張メッセで開催される、日本国内最大級の「デジタルイノベーションの総合展」です。主催者は一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)で、このイベントは情報技術、エレクトロニクス、人工知能(AI)、ロボティクス、IoT(モノのインターネット)、自動車技術など、幅広い分野における最新技術や革新を紹介する重要な場となっています。CEATECは技術業界にとって非常に重要なイベントであり、最先端技術の開発現場に関心を持つ参加者や来場者が世界中から集まります。このイベントは、デジタル産業を支える人々と、デジタル技術を活用する人々が一堂に会し、デジタル技術の発展および社会実装を促進する場を提供します。さらに、デジタル技術に親しみ、学び、共創することで社会を豊かにすることを目指しており、国内では唯一無二の「デジタルイノベーションの総合展」と言えます。CEATECの起源は、1962年に始まった「日本電子工業展」までさかのぼります。パーツから完成品まで非常に広範囲にわたるテーマを展示するという“総合展”としての特長は、現在に至るまで引き継がれています。2007年には20万人が来場し、「最先端IT・エレクトロニクス総合展示会」として確固たる地位を築きました。この展示会は、経済発展と社会課題の解決を両立する「Society 5.0」の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人々と技術・情報が集い、「共創」によって未来を描くという開催趣旨を掲げています。2023年には約9万人の来場者があり、多くの関心を集めました。(Ⅲ)東京オートサロン(Tokyo Auto Salon)東京オートサロン(Tokyo Auto Salon)は、日本最大級の自動車関連イベントであり、チューニングカーやカスタムカーの祭典として知られています。会場では、サーキット用にチューニングされたレーシングカーやスポーツカー、豪華にドレスアップされたミニバン、さらに被災地で役立つ車両などが展示されています。このイベントは毎年1月の第2週の週末(金・土・日)に開催されており、その特異な時期に行われる理由は「違法行為の祭りとされていたため、会場が完全に空いている時期しか使わせてもらえなかった」ことに由来します。現在ではチューニングカーの規制が緩和されて合法なイベントとなりましたが、伝統的にこの時期に開催されています。東京オートサロンは世界3大カスタムカーショーの一つとも言われます。このイベントにはカーアフターマーケットの動向を反映し、多くの自動車メーカーやアフターパーツメーカーが参加します。名誉会長は政治家で元内閣総理大臣の羽田孜氏です。1983年の初開催以来、このイベントは成長を続け、国際的な注目を集めるようになりました。アジア各国での日本のカスタムカー人気を背景に海外からの来場者が増加しています。さらに、海外自動車メーカーはコンパニオンに外国人を起用することが多く、欧米人を含む多国籍の来場者がこのイベントを訪れています。これにより、業界全体のビジネスチャンスが広がる場となっています。「若者の車離れ」が指摘される中、東京オートサロンは熱心な自動車ファンが集まるイベントとして存在感を増しています。2024年1月12日から14日に開催された「東京オートサロン2024」には、378社が参加し、893台の個性豊かな車が展示されました。今年も多彩な展示が見られ、3日間の来場者数は計約23万人に達しました。□ さいごにこの記事では、幕張メッセをご紹介しました。名前の通り、幕張メッセは多くの展示会やイベントの中心地として機能しており、その魅力と利便性は特筆すべきものがあります。そのアクセスの良さや多様な施設・設備は多くの来場者にとって大きなメリットです。また、多くの成功と挑戦の物語が垣間見られる幕張メッセは、未来に向けて持続的な発展を続ける力を持っています。次の出展計画を考える際には、ぜひ幕張メッセを選択肢に加えてみてください。期待以上の成果があなたを待っているかもしれません。皆様のビジネスの成功や充実したイベント体験を心から願っています。この記事が参考になれば幸いです。株式会社ピーク・ワンは、マーケティングを次のステップへ進化させたい企業様に豊富な実績を基にしたサポートを提供しております。また、イベント受付管理システム「レジスタ」や事務局支援クラウド「セクレタ」といったシステムも提供しております。当社が提供するイベントDXサービス「FrontDeskシリーズ」では、イベント受付からリード獲得までをサポートするさまざまなソリューションを展開しています。特に、「レジスタ」は展示会での来場者情報取得を支援する受付管理ソリューションであり、オプション機能の「Quick Lead」「Quick Flyer」「Quick Check-in」を活用することで、最新の展示会マーケティングをタイムラグなく実現します。さらに、株式会社ピーク・ワンには数多くの企業イベントの受付を構築してきたプロが在籍し、展示会イベント受付オンサイトサポートサービス「受付の達人」も提供しております。当社は30年以上の経験とノウハウを活かし、貴社のイベントを成功へと導きます。トラブルの未然防止、スムーズな受付運営、そして参加者一人一人に最良の体験を提供することで、イベント成功の第一歩を確実にサポートいたします。また、多言語に対応したイベントプロデューサーもおりますので、グローバルなイベントにも柔軟に対応(⽇英を含む世界5ヵ国の⾔語にネイティブ対応)可能です。「海外のエグゼクティブやVIPを招いてイベントを⾏いたい」「各国の⽂化や商習慣に合わせてのプランニングが必要」「事務局業務から旅行⼿配までトータルで対応して欲しい」などのご要望があれば、ぜひご検討ください(Global Team 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