□ はじめに 皆さん、こんにちは。展示会に出展した際、製品やサービスの名称を来場者に覚えてもらうことはとても重要です。多大なコストをかけて出展しても、製品やサービスの名称を覚えてもらえなければROI(投資対効果)が著しく低下し、大きな損失を招く恐れがあります。ある調査によれば、展示会で新しい製品やサービスを覚えてもらえるかは「名称の覚えやすさ」に大きく依存しているとされています。もしも名前を覚えてもらえなければ、展示会後のお問い合わせや商談にはつながりません。したがって、製品やサービスの名称が「内容をイメージできない」や「読みづらい」、「記憶に残らない」といった問題を抱えている場合、ネーミングの変更を検討すべきです。思い切って「読みやすく、覚えやすい、一度見ただけで記憶に残る」短くて簡単な名称に変更してみるのも良い手かもしれません。例えば、「アイミツ」のように初見でも読み間違えない、文字数が少なく覚えやすい名称や、「楽楽精算」のように用途や使用方法が一目でわかる名称が理想的です。BtoB企業のネーミングはBtoCとは異なり、営業マンが直接商品を顧客に説明する機会が多いです。したがって、BtoBのネーミングにはその特性を強く反映させると良いでしょう。見込み顧客にしっかりと訴求できる名称を選ぶことが大切です。本記事では、展示会での成功を目指すための製品・サービス名のネーミングのポイントをご説明します。読みやすくて覚えやすい、印象に残る名称を考案するきっかけになれば幸いです。ぜひご一読ください。 1. ネーミング戦略~覚えやすくインパクトのある名前の重要性 ネーミングに意味がなく、急ごしらえで決めた名前や従業員アンケートで選んだ名前の場合、再検討をお勧めします。長すぎたり複雑すぎる名前は記憶に残りにくいため、簡潔な名前が望ましいです。思い切って「読みやすく、覚えやすい、一度見ただけで記憶に残る」ような短くて簡単な名称に変更するのが効果的です。どんなに優れた製品やサービスであっても、名前が記憶に残らないとクロージングにはつながりません。逆に、インパクトがあり、記憶に残りやすい名前であれば、契約につながる可能性が高まります。名前は大きな影響力を持つ重要な要素です。「名は体を表す」ということわざがありますが、これは製品やサービスの名前が特性や実体を的確に表すべきだという教訓です。特徴がわかり、使い方や利用シーンがイメージでき、他の製品やサービスとの違いが記憶に残る名前を選ぶことが重要です。例えば、「日本ネーミング大賞2021」において、BtoB通販サービス名「ASKUL」が優秀賞と審査委員特別賞をダブル受賞したアスクル株式会社。アスクルが通信販売事業を開始した1993年当時、「注文したものが翌日届く」というサービスはまだ存在していませんでした。大企業向けの出入り業者が文房具などのオフィス用品をすぐに届ける一方、中小事業所ではオフィス用品を調達するために直接店頭に足を運ぶ必要がありました。アスクルはそうした中小事業所の「不便を便利に変える」ことを目指し、大企業並みのサービスを提供することを理念として、「明日お届けする」という新しい価値を提供するサービスを開始しました。この強い意志を込めて、「ASKUL」(アスクル)と名付けたのです。名前は製品やサービスの第一印象を決定づける重要な要素です。成功した実例を参考にし、顧客の心理にプラスの影響を与えるポジティブな名前を選んでみてください。 2. 韻を活かす~記憶に残るネーミングを 脳には「オン・イン・ループ」という機能があると言われていて、何かを耳にすると、それが頭の中で5秒間程度繰り返されるそうです。そして、その情報を記憶するかどうかを判断しています。この脳の機能を活用し、ネーミングに韻(繰り返しの音)を取り入れることを考慮してはいかがでしょうか。学術研究でも、ネーミングの特性と消費者の反応について多くが明らかにされています。特に韻に関する研究は注目されています。韻にはいくつかの種類がありますが、中でも「反復」は多くのブランドで用いられています。例えば、セブンイレブン、TikTok、MacBook、キットカットなどです。こうした韻を持つ名前は、親しみやすく、記憶に残りやすいです。キャッチコピーについても同様です。例えば、半導体を中心に展開している企業であるインテルの「インテル入ってる」という有名なキャッチコピーは韻を踏んでいます。このキャッチコピーは、パソコン内にインテル製のCPUが入っていることで高性能であることを表しています。英語でも「Intel Inside」という商標登録されたフレーズが使われていて、「in」の音が繰り返されています。これもまた韻を踏んでおり、日本語と英語の両方で効果的です。もちろん、売れるネーミングの要素は「韻」だけではありません。ヒットした商品でも韻を踏まないものもあります。しかし、記憶に残りやすいネーミングという観点から見れば、韻は非常に重要な要素と言えるのではないでしょうか。さらに親しみやすさを追求するためには、他の言語の特性や文化も試してみる価値があります。例えば、フランス語は音韻的に美しいとされ、高級感や洗練さを演出することができます。例えばここでネーミングを少し考えてみると、電化製品であれば、空気清浄機なら「ピュアエアー」、食洗機なら「スピンシャイン」、ヘアドライヤーなら「ヘアフレア」というネーミングは韻を踏んだ繰り返しの名前になっているので、覚えやすいと思います。いかがでしょうか。効果的なネーミングを選ぶことは顧客の心を捉えるためには不可欠です。ぜひ、韻を取り入れたネーミングを検討してみてください。 3. ネーミング術~ネームレター効果で顧客の心を掴む 多人数が雑談している環境でも、自分や家族の名前だけは自然と聞き取ることができます(カクテルパーティー効果)。また、日常生活の中で自分に関連するもの(住んでいる地域や地元、勤務先などの名前)を頻繁に目にすることがあります(頻度錯誤)。これらの現象は、自分に関わるものに無意識に愛着を感じていることを示しています。信じ難いかもしれませんが、「太田姓の消費者は、それ以外の姓の消費者に比べて、胃腸薬を選ぶ際に太田胃散を選びやすい傾向がある」という研究結果も存在します。この傾向はネームレター効果と呼ばれ、理論的にも裏付けられています。ネームレター効果とは、人が自身や関係するものの名前に含まれた文字を、含まれていない文字に比べて好ましく感じる傾向のことで、ブランド選択やその他の意思決定にも影響を及ぼします。名前の親和性が、人々の消費判断や行動に潜在的に強い影響を与えるため、製品やサービスのネーミングにおいてもネームレター効果を活用することが非常に有効です。例えば、OEMのように販売する企業ごとに製品名をカスタマイズする手法です。製品名の一部または全部に購入企業の名前や愛着を持つ名称を付与することで、顧客の心理に直接働きかけることができます。また、例えば、特定地域でのプロモーションにおいてその地域の地名を製品名に組み込むことで、地域企業の親近感を醸成することができます。このような新しい視点を取り入れて、成功に一歩近づくことができるネーミングを工夫して考えてみてください。 □ まとめ 読んでいただき、ありがとうございました。展示会での成功を目指すためには、「ネーミング戦略」が非常に重要であることを書かせて頂きました。振り返ると、ネーミングにはいくつかの重要なポイントがありました。まず、「簡潔でインパクトのある名前」が求められます。企業が製品やサービスの特性を的確に表し、覚えやすく、見込み顧客に訴求力のある名称を選ぶことが求められます。次に、「韻を活かす」ことも記憶に残るネーミングを考える上で欠かせません。音の繰り返しやリズムを取り入れることで、人々の記憶に強く残る効果があります。さらに、「ネームレター効果」を積極的に活用することも考慮すべきです。自分や自分に関連するものの名前に親和性を感じる人間の心理を利用して、顧客にとって親しみやすい名前を付けることで、商品やサービスの認知度や好感度を高めることができます。最後に、これらのネーミング術を考案する際には市場調査や専門家の意見を取り入れることも重要です。ネーミングはただの「名前」ではなく、企業のブランド戦略、イメージ戦略の中枢を担う要素です。徹底的な検討を行い、顧客に強く訴える名前を選びましょう。以上のポイントを踏まえて、ネーミングを見直すことで、展示会での成果を大いに向上させることができます。顧客の心を掴むために、ぜひ効果的なネーミング戦略を考案してみてください。 株式会社ピーク・ワンは、イベントマーケティングを次のステップへ進化させたい企業様に豊富な実績を基にしたサポートを提供しております。また、イベント受付管理システム「レジスタ」や事務局支援クラウド「セクレタ」といったシステムも提供しております。当社が提供するイベントDXサービス「FrontDeskシリーズ」では、イベント受付からリード獲得までをサポートするさまざまなソリューションを展開しています。特に、「レジスタ」は展示会での来場者情報取得を支援する受付管理ソリューションであり、オプション機能の「Quick Lead」「Quick Flyer」「Quick Check-in」を活用することで、最新の展示会マーケティングをタイムラグなく実現します。さらに、株式会社ピーク・ワンには数多くの企業イベントの受付を構築してきたプロが在籍し、展示会イベント受付オンサイトサポートサービス「受付の達人」も提供しております。当社は30年以上の経験とノウハウを活かし、貴社のイベントを成功へと導きます。トラブルの未然防止、スムーズな受付運営、そして参加者一人一人に最良の体験を提供することで、イベント成功の第一歩を確実にサポートいたします。また、多言語に対応したイベントプロデューサーもおりますので、グローバルなイベントにも柔軟に対応(⽇英を含む世界5ヵ国の⾔語にネイティブ対応)可能です。「海外のエグゼクティブやVIPを招いてイベントを⾏いたい」「各国の⽂化や商習慣に合わせてのプランニングが必要」「事務局業務から旅行⼿配までトータルで対応して欲しい」などのご要望があれば、ぜひご検討ください(Global Team 特設サイトはコチラ)。※無料相談はGlobal Team 特設サイトでお申込みいただけます。株式会社ピーク・ワンのサービスの詳細を記載した資料はすぐにダウンロードいただけます。お問い合わせは弊社までお気軽にご連絡くださいませ。